院長ブログ
Blog2024年7月29日
物忘れがあると、すぐに認知症の始まりだと言うことありませんか?
実は初期アルツハイマー型認知症の診断は意外と難しいのです。
以下の経験ありませんか?
次の経験はどうですか?
前段(1〜10)と後段(A〜E)の違いが分かりますか。
前段の症状があっても、基本的な生活機能が正常な場合は認知症とはいいません。
軽度認知機能障害(MCI)と診断されます。
いわゆる「良性の物忘れ」「年なりの物忘れ」です。
後段の症状はどうでしょうか。
これらは複雑な日常生活動作(これを道具的日常生活動作能力といいます)に問題のある状態で、認知症の初期と診断されます。
両者の区別難しくないですか。
薬を度々飲み忘れたら認知症か、曜日を分からないときがあるけどMCIでいいのか、基本的な生活機能って何だと突っ込まれそうです。
それでは認知症の実際の診断はどうするか。
簡単には簡易知能評価スケールを利用します。
例えば長谷川式では満点が30点ですが、22点から26点までをMCIと診断します。
点数だけでなく答えの内容、生活内容も考慮に入れます。
MCIは、年間15%は認知症に移行しますが、20%は改善します。
長生きすれば、大なり小なり認知機能は低下します。
誰でもが通る道です。
物忘れをすぐに「認知症だ」と速断しないでくさいね。