2025年3月の講演報告2回目です。
2回目は認知症の対応についてです
第2回 認知症の対応
⑴対応の心得
- ①自尊心を傷つけない
- ②急がせない
- ③子供扱いしない
- ④レッテルを貼らない
- ⑤後ろから声をかけない
⑤について説明します。
有効視野という言葉があります。
認知機能が落ちると、認識できる視野が狭くなります。
横からまたは後ろから声をかけると、声の主を認識できずに、混乱することがあります。
声をかけるときは、正面からかけるのが安全です。
「ぼけちゃって」「認知が始まった」は出来るだけ言わないようにしましょう。
自尊心が傷つけられます。
⑵脳活性化のための五大原則
⒈五感を刺激する
- ①音楽、歌、楽器
- ②おしゃべり、カラオケ、ゲーム等
- ③体を動かす
出来るだけ個人の好みに合わせる。
嫌なことはしない
⒉ほめること
- ①良い意味での「お世辞」
- ②家族をほめる(夫、妻、子供等)
- ③昔の武勇伝をほめる
⒊会話
- ①否定しない。共感
- ②ペースを合わせ、ゆっくりと
- ③笑顔が笑顔を生む
- ④情報の内容の正しさは問題では無い
◎否定から入らない
◎まず同意して最後まで聞く
⒋役割――認められるということ
⒌ 失敗を防ぐ手段
- ①成功体験は自信につながる
- ②失敗してもとがめない
- ③出来る能力に着目
実際に実行するのは大変なことも多いですが、頭の片隅にでも入れてください。
具体例
⒈お金盗られたと怒りだしたら
- ①お金は大事と同意しつつ探すように促す
- ②介護者が疑われないよう、本人に見つけてもらう
- ③あまり興奮しているときは声をかけず、静まるまで距離を取る
⒉同じ事を何度も聞かれる
- ①食事したかどうかの質問なら、食べた後の食器を片付けずに置いておく
- ②拒否されていると感じさせてしまうので、さっきも言ったでしょと返すのは避ける。話を変える。